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子供の虫歯の原因を知るためには、歯の構造を理解することが近道

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子どもの虫歯の原因

ヒトの身体のなかで、一番硬いところはどこであるかご存知でしょうか。正解は「歯」です。

もう少し詳しく説明すると、歯のなかでも、その表面を覆っている「エナメル質」という層が最も硬い部分で、一般的に水晶と同程度の硬さ(※)と言われます。

その下にある「象牙質(ぞうげしつ)」と呼ばれる層や、歯の根っこの部分の「セメント質」は、エナメル質よりも硬さは劣りますが、それでもヒトの骨と同等の硬さと言われます。

さて、このように、一口に「歯の硬さ」といっても、実際には歯の部位によって硬さも異なり、その役割もそれぞれ違います。

そこで、歯の内側の構造をちょっと覗いてみることにしましょう。※:主に鉱物などの硬さを表す尺度である「モース硬度」によります。モース硬度には、各硬度段階に標準物質が設定されており、水晶は硬度7とされています。なお、モース硬度は「なにかで引っかいた時の傷つきやすさ」を表し、「叩いた時の壊れやすさ」を表すものではありません。

1.歯には「見えている部分」と「見えない部分」がある

歯の構造をご説明する前に、歯には「見えている部分(口のなかで露出している部分)」と「見えない部分(歯の内部や歯ぐきのなかに隠れている部分)」があることを覚えてください。

まず、「見えている部分」というのは、私たちが一般的に「歯」と言っている部分です。これを専門用語では「歯冠(しかん)部」と呼びます。歯の一番頂上ということですね。

その一方で、歯の下の方の「見えていない部分」にも名前が付いています。そこは、歯の根っこという意味で「歯根(しこん)部」と呼ばれます。

口のなかに露出している部分が歯冠部で、歯ぐきのなかに埋まっているのが歯根部。その両方を合わせたのが「歯」というわけです。だから、歯の健康のためには、見えている部分だけではなく、見えていない歯の内側のケアも大切なのです。

2.歯冠部の歯の内部構造

2-1.最も硬い歯の防御壁「エナメル質」

つぎに、歯冠部の歯の内側は、どのような構造になっているかをご説明します。

まず、口腔に露出していて、上下の歯の接点となる歯の表面部分。ここを「エナメル質」と呼びます。冒頭でも書きましたが、ヒトの身体の組織のなかで最も硬い部分が、このエナメル質です。

先ほどのモース硬度で比較すると、その硬さは鉄をも超えます。

歯は、毎日数え切れないほどの咀嚼を繰り返し、硬い食べ物を噛み切ったり、すりつぶしたり、時には力を込めて食いしばったりと、想像以上に過酷な環境にさらされています。その最前線で活躍し、噛むことで発生する余計な刺激を内側に伝えないように頑張っているのが、このエナメル質なのです。

色は無色・半透明で個人差がありますが、エナメル質の層が薄い人は、内側の象牙質(後述します)の色が透過し、歯の色に影響を与えます。歯の機能のうえでも、見た目においても、非常に重要な部分と言えますね。

2-2.硬さと粘り強さを備えた「象牙質」

エナメル質の内側にあるのが「象牙質」です。象牙とは、もちろんゾウの牙のことで、この組織が象牙色に近いことから名前の由来になっています。

この象牙質は、歯冠部から歯根部にいたる歯の内側の大部分を構成する非常に重要な組織です。この象牙質は「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経をすっぽりと覆っていて、これを守っています。

硬さはモース硬度では6〜7程度と言われ、エナメル質よりも低い値です。しかし、例えば硬く傷つきにくいダイヤモンドが衝撃に対しては割れやすいように、エナメル質も硬度が高い反面、衝撃に対する脆さを併せ持っています。

これに対し、象牙質の硬度は低めですが、その反面でエナメル質にはない弾力性を持っています。つまり、エナメル質の硬質な強さと、象牙質の粘りのある強さが一体となって、強靭な歯ができているのです。

エナメル質よりも柔らかい象牙質は、虫歯に対する防御力も弱めです。

象牙質自体は口腔内には露出していませんが、進行する虫歯がエナメル質を突破して象牙質にまで達すると、侵食のスピードがいっそう速くなります。

前述のように象牙質の内側には歯髄と呼ばれる神経を内包しています。つまり、一層下はすぐ神経に接しているわけです。

また、象牙質には無数の小さな穴があいています。これを「象牙細管」と呼びますが、この管は歯髄にまで繋がっています。このため、虫歯などで象牙質が露わになったり、刺激が加わると、痛みも発生します。

2-3.大切な歯の神経、「歯髄」

歯の表面から、エナメル質、象牙質と説明してきましたが、いよいよ歯の中心部です。ここは「歯髄(しずい)」と呼ばれます。

まさに、歯の髄(中心部)という意味ですが、一般的には「歯の神経」と呼んだ方がわかりやすいかもしれません。

具体的には、刺激を脳に伝える神経組織と、無数の毛細血管から構成されている柔らかい組織です。歯髄は虫歯や炎症による痛みを感じるほか、歯に栄養素を送り届けたり、象牙質を形成するという重要な役割を担っています。

そのため、歯髄にまで及ぶ虫歯の治療のため歯髄を除去する(いわゆる「歯の神経を抜く」)と、歯に栄養素が行き渡らなくなるため歯がもろくなったり、色が変化するといった弊害をもたらす場合があります。

歯髄のない歯=生きていない歯という意味から「枯れ木のような歯」と表現することもありますが、もし虫歯になってもできるだけ歯髄を残せるように早めに対策をしたいものです。

3.歯根部の歯の内部構造

3-1.歯の根元を覆う「セメント質」

次に、口腔から目で見ることのできない歯の根元、「歯根部」の構造をご紹介します。

先に説明した歯冠部と同様に、歯根部にも歯の中心に歯髄があり、その歯髄を象牙質が覆っていますが、さらにその外側には「セメント質」という層が形成されています。骨とほぼ同じ組成でできている硬い組織で、次に説明する歯根膜と結びついています。

3-2.歯と顎を結びつける「歯根膜」

歯のセメント質と、歯の土台となる歯槽骨(後述)を結びつけるのが「歯根膜(しこんまく)」です。歯根膜は繊維のような組織で、歯を使って噛む衝撃を直接顎へ伝えないようにするクッションのような役割も担っています。

3-3.歯の土台「歯槽骨」

歯の土台になるのは顎の骨ですが、その顎の骨のなかで歯を支えている組織を「歯槽骨(しそうこつ)」と呼びます。「歯槽」とは「歯を入れる箱」という意味で、歯の受け皿となっています。「歯槽膿漏」をご存知かと思いますが、これは歯槽骨が溶けることによって起こります。

4.歯の構造は似ていても、永久歯よりもひ弱な乳歯

歯の構造を歯冠部と歯根部に分けて俯瞰してきましたが、このように小さな歯の内側では、歯をしっかりと守り、機能させるための大切な役割が、いくつかの組織に分担させて形成されています。

こうした構造は、基本的には永久歯でも乳歯でも変わりはありません。しかし、構造は同じでも、乳歯は層の厚さや質の面でまだ未熟なため、永久歯よりも脆弱であることに注意しなくてはなりません。

4-1.乳歯のエナメル質の厚さは、永久歯よりも薄い

例えば、永久歯のエナメル質の厚さは2〜3mmほどで、歯の頭頂部ほど厚みがあります。しかし、乳歯のエナメル質は、まだまだ成熟途上にあるため厚さは永久歯の半分程度です。このため、虫歯になると症状が速く進行してしまいがちです。

4-2.永久歯よりも薄い乳歯の象牙質

エナメル質と同様に、未熟な乳歯の象牙質は永久歯の象牙質よりも薄く、柔らかくなっています。象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、たとえ小さな虫歯であっても、ちょっと放置してしまったために象牙質にまで到達すると、あっという間に進行して大きな穴が空いてしまいます。

まとめ

このように、歯は一塊りの硬い物質ではなく、それぞれ役割の違う幾つかの層の集合体です。最も硬い部分は表面のエナメル質ですが、硬いからといっても万全の防御を誇っているわけではなく、内側の象牙質や歯根部と合わせてすぐれた強度を形成しているといえます。また、子供の歯と大人の歯は構造上は同じですが、子供の歯の方が層が薄く、防御力が弱いといえます。このような歯の各部の違いが、大人以上に子供の歯のケアが重要である大きな理由なのです。

ちょっと待って!! 未来歯科の見解もお読みください!

乳歯の歯の表面にあるエナメル質は、永久歯の半分以下と非常に薄いのはご存じでしょうか。
また、乳歯というのは抜けてなくなってしまうので、あまり重要でないもののように思われることもありますが、決して虫歯になっても治療しなくてもいい訳ではありません。

乳歯には保隙(ほげき)という大切な役割があります。乳歯が抜け落ちるときに、永久歯が正しい位置に生えてくるための通り道を作ってくれているのです。

こういった歯の役割も知っていただき、なぜそういう構造になっているのかを理解していただくことで、それぞれの歯の大切さを知ることができます。さらに言えば、食べ方や食べものまで知ることで、より理解が進みます。

前歯でかじって、奥に入れて噛んで、そのあとは飲み込んでいく。その飲み込める状態までしっかり噛めるかどうかがいちばん大きな問題です。

でんぷん質を消化するのは、口の中の唾液の役目です。たとえば、味の濃いものを食べてたときに、しっかりと噛み砕かないまま胃の中に入れてしまうと、胃に大きな負担がかかってしまいます。

身体の不調を訴える原因が、お口の中の食べ方や食べものにあるということを理解しておくことで何が適切なのかを知ることができます。

ですから、歯の役割、食べ方、食べものを知ったうえで、離乳食から考えてあげることが大事なことなのです。

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